ローコスト住宅 後悔!? 基礎の仕様と不安が出てきた床下の湿気対策 『ゆきだるまのお家』

住宅で重要な役割を持つ基礎工事。そこで勃発するべた基礎vs布基礎の問題。実際どちらの工法が良いのでしょうか?

ローコスト住宅の『ゆきだるまのお家』では布基礎が標準仕様です。ノリチカ家では地盤調査を実施し杭工事をして基礎工事となりました。

この記事では『ゆきだるまのお家』の基礎の紹介と、完成して一年後の床下はどんな感じなのかをお知らせしたいと思います。  

ゆきだるまのお家の基礎工事

地盤調査と杭工事

地盤調査は一般的なスウェーデン式サウンディング試験を建物が建つ四隅と中心がくる場所の計5か所で計測しました。その結果杭工事が必要な地盤だとわかりました。建物を計画する段階で近隣の地質データから杭工事が必要だろうと予想し、概算で予算に入れていたので予想通りの結果となりました。

次に杭工事が行われます。ノリチカ家はタテ×ヨコが4間×4間の正方形にポーチ部分が出た形です。建物の基礎が通る部分に杭を入れていきます。大体1間ピッチで合計26本の杭が施工されました。

施工後には施工報告書があり、施工概要や杭の配置図そして施工時の写真、さらに全ての杭に対し最終設置深度(m)と最終押し込み力(kN)の数値が表で見れるのでとても分かり易いです。


ノリチカ
とても重要な地盤調査と杭工事!
一般的な工法ですが施工報告書もしっかりしていて
安心感がもてました。

標準は布基礎と床下換気口

『ゆきだるまのお家』の基礎は布基礎です。ベースは巾500ミリ厚さ150ミリで、立ち上がりの巾は150ミリです。1階は床下断熱の仕様なので基礎の外周には床下換気の為の換気口が数か所設けられます。よく使われている基礎パッキンによる床下換気方法ではありません。

建物内部を通る基礎には通風と点検のための開口部分が数か所あります。その開口部分には縦方向と斜めに開口補強鉄筋が入っているので、強度的には問題ないと思います。その他、玄関内部のタイルを張る部分とユニットバスが入る土間の部分には厚さ100ミリのFPボードで断熱しています。

布基礎で強度的に大丈夫?

布基礎に対して個人的には全く抵抗はありません。なぜなら、ノリチカ夫婦のそれぞれの実家が布基礎だからです。40年以上前に建てられ杭工事もしていないのに、2018年の胆振東部地震の震度5強にも耐えました。他にも数々の地震を経験したことでしょう…。

少し楽観的な考えかもしれませんが、40年以上前の建物が問題がなっかたので現在の進化した建物は大丈夫だろうと考えています。さらに、住宅瑕疵担保責任保険制度ができてからは第三者が基礎配筋完了時に配筋検査を行うので配筋不良は先ず無いと思っています。

 
ノリチカ
ローコスト住宅でも基礎の標準仕様はいろいろあります。一番大事なのは自分や家族が仕様に納得し施工してもらう事だと思います。

不安がある床下の湿気対策

床下の地面の仕様

布基礎にすると不安になるのが地面からの湿気です。床下の地面は防湿シートを敷いた上に火山灰土を50ミリ敷き詰めています。最近の新築住宅では、べた基礎が多かったり布基礎の場合でも防湿シートの上にコンクリートで床下の処理をしているハウスメーカーが多い中では、少し珍しいかもしれません。

重要なのは床下を通風し湿気がない状態を保っているのかどうかです。

完成一年後の床下の状態と問題点

ノリチカ
完成して一年、床下の状態をチェックしました!

ノリチカ家の床下点検口は洗面脱衣スペースに付いています。建築前の打ち合わせの時点でオプションの床下収納を勧められ採用したので、床下点検口兼床下収納庫になっています。

点検口の蓋を開けると床下収納の断熱蓋があり、それを開けると収納部分にたどりつきます。さらにその収納庫を取り外すとやっと床下の地面が見えてきます。収納庫は物が入っていない状態だと結構軽いので簡単に取り外すことができます。

肝心の床下の状態は…

夏場の蒸し暑い日でもひんやりとした空気が通っていて火山灰土も乾燥した状態でサラサラしていました。問題なしと思ったんですが、よく見ると火山灰土の色が濃い部分があります。触ってみるとやはり湿っぽい…

このような火山灰土の色が濃い部分は見える範囲で二か所ありました。その場所は内部の基礎が通る所の開口部分の地面なんです。専門家でもないノリチカですが原因はすぐわかりました。

その原因は…防湿シートがその部分だけ敷いていないんです。開口部分の地面600ミリ×150ミリの所だけ防湿シートが連続していないのでピンポイントで湿気が上がって来たのでしょう。

実際の写真がこちらです。

自分で少し防湿シートをめっくった後ですが開口部の下だけ色が違います(影で分かりずらいです)

改善策を自分でやりました

原因がわかったので後は改善するのみ。一番簡単なのは藤城建設さんに連絡して対応してもらう事でしょう。でも、自分で対処してみたいのです。それで駄目だった場合に藤城建設さんへ連絡しようと思います。

改善策の手順は

  • 防湿シートがある程度見えるまで土をよけて作業スペースを確保する。

  • ポリフィルムを既存のシートに15センチ重なる様に敷き、継ぎ目をテープで止める。

  • 最後に周りにある乾燥した火山灰土をシートの上に敷き詰める。

これが自分で出来た精いっぱいの改善策でした。

この作業中に防湿シートの下を触ると結構湿った感触があり、改めて防湿シートの重要性を知ることが出来ました。

まとめ

今回はローコスト住宅『ゆきだるまのお家』の基礎と杭工事、そして完成して一年後の床下の状態を紹介しました。

住宅における基礎・杭工事はとても重要な部分です。標準仕様は布基礎に床下換気口が設置され床下を通風する仕様です。杭工事は一般的なスウェーデン式サウンディング試験です。

建築会社によって基礎の標準仕様はいろいろあるので、自分達が納得した工法で施工してもらうのが一番良いと思います。

床下の状態は少し残念な部分がありましたが、それ以外の部分は乾燥していて良い状態でした。床下換気口で十分に通風されているのでしょう。残念な部分は自分で改善出来たと思いますが今後も定期的に床下のチェックはしようと思っています。

この経験で床下防湿シートの重要性がわっかったので、今後建築予定の方は基礎工事の時に切れ目なく施工されているか現場監督に確認することをお勧めします